事業計画・事業実績

第14期事業計画(2023年4月1日から2024年3月31日)

開発途上国の農村地域に暮らす人々の経済力及び生活環境の向上と、子どもたちが教育を受ける機会に寄与するための支援による地域の発展に貢献することを目的に、ネパール国で取り組んでいる当初事業は所期の目的を達成する段階となってきたことから、今後の方向について現地と協議を進めるとともに、継続した支援を必要としているものについて次の事業を推進する。

1、開発途上国への農業技術の普及事業

(1)農業技術普及事業

主要産業である農業の振興のため、次の3地区を重点に農業技術の指導を実施する。

〇ヌワコット郡カカニ地区
・地域の特産物であるイチゴの生産安定栽培のための指導を継続して行う。
〇マクワンプール郡ナムタール地区

・葉菜類、果樹等の経済性の高い農産物の導入に関する調査及び実施指導を行う。

〇ムスタン郡ツクチェ地区
・消費地から遠隔の立地にあるため、市場性、経済性と併せて、地域性のある農産物について調査を行う。

〇実施時期  適時     実施者  農業技術者

(2)関連機関・団体等との連携事業

開発途上国の実情と発展方向に即した農業協力を一層推進するため、日本国内の活動機関や農業団体、農業者等との連携を図り、質の高い支援活動、技術協力に資するものとする。

2、開発途上国の農業団体及び学校団体への助成及び支援事業

(1)現地事務管理所助成事業

当団がネパール国において行う事業の調査、実施状況、運営を効率的かつ円滑に行うため、現地に設置されている法人ジャイチネパールも自主運営の体制が整いつつあるが、ネパール事業の連携を保つためのパートナーシップとして引き続き当事務局の運営を支援する。
〇事務所所在地  ネパール国カトマンドゥ市
〇職員体制   支配人 1、事務局員 1、チーフアドバイザー 1
〇主要業務   ・支援対象学校及びカカニ実験研修農場の維持管理、情報の収集
・地域住民の要望聴取
・当団体(ジャイチ)の活動に参加する者の受入れ

(2)カカニ実験研修農場助成事業

地域農業者により当農場の機能を生かすべく、農産物栽培実証や農業と観光の連携に向けた取組が進められており、地域への効果が期待されている。一方、イノシシなどの獣害対策が課題となっているため、適切な圃場の維持管理を継続するための支援を行う。

(3)レカリ・バシファント学校助成事業

当学校は、政府及び地域の学校運営委員会により自立運営が順調に行われているが、教室棟など建築歴年の経過による損傷ヵ所の修繕や改修および日本大使館の支援により建設された学生寮を充実するための支援が望まれており、設立母体として学校環境を維持するための支援を継続して実施する。
〇所在地  ネパール国マクワンプール郡ナムタール村
〇生徒数  幼稚園クラス 1、 1~10学年クラス 10   男子 178人 女子 183人  計361人

(4)カカニ・ブライター学校助成事業

前年度にカカニ村内の公立学校と合併したことにより、直接の管理運営は村の学校運営委員会が行うことになった。合併に伴う清算業務は概ね整理されてきたが、早期に安定した学校体制が図られるようレカリ校と同様に設立母体として継続支援を行う。
〇所在地  ネパール国ヌワコット郡カカニ村
〇生徒数  幼稚園クラス 4、 1~10学年クラス 10   男子 181人 女子 160人  計341人

(5)総合指導員派遣事業

当該支援事業の実施にあたって、その管理運営の適切な執行を図るため、定期的に報告を求めるとともに、現地において調査及び実地指導を行う。
〇実施事項 ・組織運営状況の点検指導
・助成事業の執行状況の確認
・現地要望事項等の把握と事業実施に向けた調査研究
〇実施者   理事、事務局員
〇派遣時期  適時  人員と派遣時期は状況に応じて実施する

(6)奨学金里親制度事業

奨学生と里親との連絡調整のための事務を継続する。

3、開発途上国に関する農業及び教育の啓発事業

(1)現地視察研修事業(スタディツアー)

コロナ禍も収まりつつあるが、ツアー実施は不透明な状況にあるため、当面は当団の活動への理解と支援者の拡大を図るための周知活動を継続して行う。

◇研修対象場所  ネパール国 カカニ・ブライター学校、レカリ、バシファント学校、カカニ農場ほか                   ◇実施方法   機関紙、ホームページ等で周知

(2)開発途上国の農業・文化案内及び視聴覚教材貸出し事業

開発途上国の現状、文化、習慣、思想などに関する各種情報を提供するため、国際交流事業等に積極的に参加して活動を紹介するとともに、当団事務所内に資料コーナーを設け、無償で閲覧、貸出しを行う。

閲覧時間等:月・水・金の午前10時から午後3時を基本とする。

(3)歯科医療保健協力事業

開発途上国の保健医療の実態を調査するとともに、現地の関係機関との連絡調整により健康衛生活動に協力する。

《第14期収支予算書》

自 2023年 4月 1日
至 2024年 3月31日

科目 予算額 前年度予算額 増減
ⅰ 一般正味財産増減の部 (単位千円)
 1.経常増減の部
  (1)経常収益
   ①基本財産運用益 1,860 2,414 △554
   ②特定資産運用益 91 91 0
   ③受取寄附金 2,300 2,300 0
   ④受取補助金 1 1 0
   ⑤雑収益 11 11 0
   経常収益計 4,263 4,817 △554
  (2)経常費用
   ①事業費 3,483 3,973 △490
   ②管理費 780 844 △64
   経常費用計 4,263 4,817 △554
    当期経常増減額 0 0 0
 2.経常外増減の部
  (1)経常外収益 0 0 0
   経常外収益計 0 0 0
  2経常外費用 0 0 0
   経常外費用計 0 0 0
   当期経常外増減額 0 0 0
   当期一般正味財産増減額 0 0 0
   一般正味財産期首残高 74,950 74,950 0
   一般正味財産期末残高 74,950 74,950 0
ⅱ 指定正味財産増減の部
 ①受取寄附金 0 0 0
  当期指定正味財産増減額 0 0 0
  指定正味財産期首残高 9,694 9,694 0
  指定正味財産期末残高 9,694 9,694 0
ⅲ 正味財産期末残高 84,644 84,644 0

第13期事業実績  (2022年4月1日から2023年3月31日)

(総括)

前年に引き続いて新型コロナウイルスの蔓延防止措置により、事業対象地であるネパールへの渡航が困難な状況であったことから、現地に赴いて直接的な活動は実施できなかったが、現地の事務所と連絡を密に取りながら、現地スタッフの積極的な対応により所期の目的を前進することができた。

開発途上国への農業技術の普及事業

農業技術者派遣事業

指導対象地として継続して行っているイチゴ栽培地のカカニ地区及び野菜栽培を主としたナムター地区は、今年度も訪問ができなかったため、現地事務所を介して栽培状況や農家の要望等の情報を収集してもらい、状況の把握に努めるとともに、今後の指導の参考とした。

関連機関・団体等との連携

コロナ禍のため昨年と同様に情報交換を行うに留まった。

開発途上国の農業団体への助成及び支援事業

現地事務局助成事業

当団がネパール国で実施している支援活動地の農業団体や学校団体への支援事業を現地で統括管理するために設置されている現地法人(ジャイチネパール株式会社)の事務局運営費について助成を行った。なお、当初に掲げた主たる事業が達成段階に至ってきたことから、今後の運営に向けた検討を進めることにした。

カカニ実験研修農場助成事業

地元の実践団体によって前年度から着手している有機農業の普及に向けた取組に加えて、各種農産物の栽培実証や、将来的に観光農園としての利用も組み入れた活用を図っていくことを進めており、農場の維持管理を継続するための支援を行った。

レカリ・バシファント学校助成事業

新型コロナウイルスの感染が落ち着いてきたこともあり、今年度は平常に授業が行われた。政府の教育改善プログラムの導入により情報通信技術(ICT)を活用した授業に取り組むなど学習環境も大きく変化してきた。一方、当校のSEE試験の結果が低位にあったことから、現地のスタッフを介して学力向上のための必要な対応を講ずることとした。また、水道、配管を主に学校施設のメンテナンス及び環境改善のための支援を継続して行った。

所在地  ネパール国マクワンプール郡ナムタール村   生徒数  幼稚クラス1・1~10年生 10クラス  361人

カカニ・ブライター学校助成事業

レカリ校と同様に平常に授業が行われた。昨年度6月にブライター学校に最も近い位置にある公立のカウレデビ学校と合併し、カカニ村が運営するカウレデビ・カカニブライター学校としてスタートしたが、合併における清算業務の早期整理のための支援を行い、概ねの処理が終了した。

所在地  ネパール国ヌワコット郡カカニ村    生徒数  幼稚クラス4・1~10年生 10クラス  344人

総合指導員派遣事業

昨年と同様に事務局員等を派遣しての現地での調査や指導はできなかったが、現地法人ジャイチネパールから月例業務等の定期的な報告を受け、日本在住のマン・シュレスタ氏(翻訳)を介して指導管理を行った。

奨学金里親制度事業

当制度により就学した児童と里親との連絡事務を継続して行った。

開発途上国に関する農業及び教育の啓発事業

現地視察研修事業(スタディツアー)

当団体の活動への理解と支援者の拡大を図るために実施している現地視察研修は、今年度もネパール国への渡航ができなかったため実施を見送った。

農業・文化の紹介及び視聴覚教材の貸出し事業

例年、近隣の市町村で開催される国際交流フェスティバル等に参加して、当団の活動や実施地区であるネパール国の情勢や文化等の紹介を行っているが、今年度もコロナウイルス感染防止により開催されずその機会が無かったが、当事務所内の資料コーナーにおける閲覧、貸出しは継続して行った。

歯科医療保健協力事業

これまでにバシファント学校、ブライター学校で実施した「正しい手洗いの必要性」の衛生指導を、今年度も引き続いて徹底して行うよう呼びかけた。

《第13期収支決算書》  (2022年4月1日から2023年3月31日)

科目 決算額 前年度決算額 増減
ⅰ 一般正味財産増減の部 (単位千円)
 1 経常増減の部
  1経常収益
   ①基本財産運用益 1,828 1,578 250
   ②特定資産運用益 91 91 0
   ③受取寄附金 2,324 2,204 120
   ④受取補助金 0 0 0
   ⑤雑収益 0 0 0
    経常収益計 4,243 3,873 370
  2経常費用
   ①事業費 3,511 3,250 261
   ②管理費 757 783 △26
    経常費用計 4,268 4,033 235
    当期経常増減額 △25 △160 135
 2 経常外増減の部
  1経常外収益
    経常外収益計 0 0 0
  2経常外費用
    経常外費用計 0 0 0
    当期経常外増減額 0 0 0
    当期一般正味財産増減額 △5,047 2,762 △7,809
    一般正味財産期首残高 48,332 45,569 2,763
  一般正味財産期末残高 43,285 48,332 △5,047
ⅱ 指定正味財産増減の部
 ①特定資産評価損 △73 17 △91
  当期指定正味財産増減額 △73 17 △91
  指定正味財産期首残高 15,633 15,616 17
  指定正味財産期末残高 15,560 15,633 △73
ⅲ 正味財産期末残高 58,845 63,965 △5,120

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